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私たちの暮らす世界は光そのものである。
それは影や闇とのコントラストとしての光ではなく、万物の事象が光であるということ。

全てを包含した光。
そしてまた、光ははじまりである。

私たちは常にはじまりの時を迎えており、それは毎瞬の出来事である。


私の絵画のベースにある支持体の白亜地の白は絵画空間において光となり全体を満たす。描画材である透明な油絵具は一番下層にある”白”まで透過し、人は絵画空間全体に満たされたその光をいつでも捉えることができる。

人が何かを描く時、描いている時の描き手、あるいは描き手が媒体となってアクセスする全ての意識は描かれている絵画に反映する。つまり『描く』ということは意識の定着であり、絵画はそれらの意識が物質化したひとつの意識体となる。人は絵画を通して時空を超え、その意識と対話することとなる。

この世界を構成する万物が、それがそれとしてただ在るように、それがそれとしてただ在るという絵画。そしてこの世界のそのタイミングにその絵画があることで世界はどう変容するのか。
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